翻訳の仕事に追われているうちに、前回の投稿から久しく時間が経ってしまいました。。。(って、いつもですが。)
今年は二人の留学生をお迎えしました。15歳のY君と13歳のG君です。Y君は15歳ということでセカンダリースクールに通っていただくしか選択肢がありませんでしたが、日本で中学生になったばかりのG君はギリギリ、プライマリースクールに通っていただける年齢でしたのでプライマリースクールを選びました。そのため、いろいろな面で比較することができましたので、ここに書いておこうと思いました。
まず来たのがY君で、こちらの3学期が始まると同時に授業がスタートしました。ホストファミリーはご近所のCさん一家です。他のエージェントの場合はホストファミリーが初日に留学生を学校まで連れて行くことになっているのですが、私は重要なことがあれば日本語でY君に説明したかったため自分で行きました。International Student Officeに行くと、担当の先生方以外に大人は私だけでしたが、その場で記入しなければならない書類もありましたのでやはり行ってよかったと思いました。そして、二日目からは予定通りバスで登校していただくということで、バス会社から言われた時間までにバス停に行くようにお話しておきました。
それなのにナント、朝、Y君から「間違った学校に来てしまったみたいです」とのメールが!しかも、本人、どこの学校なのかもわからない状態。うそでしょう。。。悩んだ結果、とにかく事務室に行ってそこにいる人から私に電話してもらうように指示し、ほどなくして学校から電話がもらえました。タクシーなどないところですから、とりあえず留学生担当の先生に連絡を入れてから私が迎えに行き、本来行くべきだった学校にお連れしました。
やれやれと思っていたところ、留学生担当の先生から連絡があり、Y君に授業が終わったらInternational Student Officeに来るように伝えてほしい、自分がY君をバス停まで連れて行ってバスに乗せるとのことでしたので、そのまま日本語にしたメールをY君に送っておきました。
が!留学生担当の先生から、「Yが私のところに来ないままバスに乗ってしまったようだ。でも、どのバスに乗っているかわからない」と電話が。。。今度は困りましたョ。どのバスに乗っているかわからないワケですから。Y君にメールしてみても返事がなく、電波が届かないところを走っているようですし、仕方ないのでバス停まで行って待ちながら、はて、これからどうしようか考えていたところ、無事Y君がバスから降りて来たのでした。
なぜ留学生担当の先生のところに行かなかったのかと聞いたところ、授業が終わってすぐにバスが出るので、先生のところに行っていたら間に合わないと思った、同じ方向にホームステイしている日本人の子がいたので一緒のバスに乗ったとのこと。事情は理解できたけど、留学生担当の先生は心配してずっと学校に残っていたので、この先生や私から連絡があった時には無視しないようにとお願いしておきました。
で、その先生から「明日はホストファミリーがバス停までお連れするように」と言われたのですが、Cさん一家に聞いたところ、その日は初日だったのでホストマザーが車でバス停まで連れて行ったのだとのことでした。そして、翌朝、ホストシスターが焦って言われた時間より10分ほど早く着いてしまったのにバスがすぐに来た、学校から言われたバスの時間が間違っていたのではないかと言われたので学校に連絡したのですが、結局、最後までバスのルートや時間についての詳細は教えてもらえませんでした。(先生方は地元に住んでいるのではなくどこからか通っているようで、地元の地理にも詳しくないようでした。)仕方がないのでバス会社に直接連絡して後で教えてもらいましたが、これは100%学校の責任でしょう。エージェント料は払ってもらいましたが、これは初日のガソリン代と私のサービス料で消えてしまうので、完全に赤字でした。。。
そして二週間目の月曜日。「足の親指を柱にぶつけて痛いので病院に連れて行ってください」とY君からメールをもらいました。学校にも慣れて来たY君はクラスメートたちと昼休みにバスケをしていたそうで。地元の診療所にはレントゲンの設備がないのでレントゲン設備のある大きめの病院に連れて行くことにし、学校まで迎えに行きました。緊急で入ったのでかなり待たされ、診察後にレントゲン、その後また診察ということで、家に戻ったのは6時半でした。結果は、ヒビが入っているとのことで、親指と隣の指をぐるぐる巻きにされ、「最低10日はこの状態にして運動は禁止」と言われてしまいました。日本で手の小指の骨を折って治ったばかりだったのにねぇ。大変でした。(ちなみに、治療費は一部ACCでカバーされ、残りは通訳料も含めてY君が支払った分はすべて日本の保険会社から払い戻されました。)
そして、Y君が帰国してからCさん一家に自腹でチョコレートを買ってお礼を言いに行ったところ、まぁ、いろいろ出るわ、出るわ。。。食事の時も含めて片時も携帯電話を離さなかった、ウソをついた、英語を勉強する気がないようだった、などなど。これまでの私ならここでキレていたところですが、お隣ですから、ウンウンと話を聞くだけにしておきました。
確かに携帯電話については私も最初は持って来てほしくないと言ったのですが、本人が持って来たいとのことでOKしてしまったので私の責任でもあります。でも、Y君が携帯を持っていたことで救われた点も多かったですし、携帯で何をしていたのかがわからない(もしかしたら単語を調べていたのかも知れないですし)ので何とも言えません。「ウソをついた」も本人はウソをつこうと思ってしたのではなく、英語が聞き取れなくて何度か言い直してもらってもダメで、結果適当に答えてしまったのではないかと。「学校から帰って来たら『学校はどうだった?』と聞くと "Good."とか言うんだけどそれで終わり。 『あなたはどうだった?』とか聞いてくれない」というものに至っては、そもそもそんなやり取りができるのならここまで来ないのです。Y君だって不満はあったと思いますよ。何より、本人が帰ってから言うのはフェアじゃないですよ。だから、重要なことや問題があったら私にすぐに伝えてほしいと言ってあったのに。Cさん一家にとってはY君はたくさんいる日本人の中の一人であり、Y君がダメだったら次、という考えなのでしょうけど、私にとってはY君も次の子もいい経験をしてほしいし、英語が話せるようになってほしいのです。ということで、Cさん一家にホストファミリーをお願いすることは二度とないと思います。
Y君と入れ替わりにG君が来て、私は益々忙しくなりました。朝、クラスメートたちと遊んでもらうために8時には迎えに行き、学校にお連れして、9時半まで一緒にいました。その時間はG君とのコミュニケーションの時間で、前の日にどんなことを勉強したのかとかホームステイ先で何があったとか、学校でどのような行事があるかを説明し、個人レッスンの先生に引き継ぎます。個人レッスンの先生は今も小学校で臨時で教えているおばあちゃん先生で、だいぶ前に別の生徒(ワーキングホリデーの女性)を教えてもらったかたで、9時20分には来るのでそこでいろいろ話をし、今日はこんなことを教える、こんなことも教えてほしい、この行事に参加させてほしいなど話し合いをします。その後、お昼まで個人レッスンで、終わったらこの先生が教室に連れて行ってくれ、バディーと呼ばれる世話役の子たちとお昼を食べ、午後の授業に参加します。
G君は特に問題なくスタートした、と思ったら3日目に体調を崩されました。とりあえず学校までお連れしたのですが、ずっとぐったりしていて、オレンジジュースを買って飲ませたのですが何も食べたくないとのことでした。それで、個人レッスンの先生と相談して、ホストマザーはお昼ぐらいまで留守なので先生の家で休ませ、ホストマザーからの連絡を待って先生が送り届けることになりました。代役でテニスの試合に出る予定だったホストマザーの代役を探さなければならなくなり、私も次々に考えられるメンバーに電話して何とか見つけて。(いつもなら喜んで私が代役になるのですが、テニス肘で数ヶ月治療中でした。)
金曜日は本のキャラクターパレードがあることをお話したら、忍者になりたいというG君。ぎょ~っ!理学治療の後に時間があったのでThe Warehouseなどを見てみたのですが、忍者の衣装などどこにもなく、あっても「タートルズ」なのです。。。仕方ないので地元の$2ショップで「忍者セット」なるものを買い、夫の作務衣、私のガウンの紐、レッグウォーマー、長女の黒いマフラーで即席忍者を作ることに!
ぐっすり寝て元気になったG君は、とんでもなくノリノリ。パレード中にみんなから "Go, G!"と声を掛けられ、小さい子たちから握手を求められれば握手をし、立ち止まって手裏剣を投げる真似をしたりして3位に入賞してしまったのです。ハリーポッターのハードカバーの本を選んで大喜びでした。このG君、翌週にはクロスカントリーに出場し、こちらも3位に入賞し、バッチリでした。
そうそう、ある日、ホストマザーが緑内障かも知れないということで眼科医の診察に行く、ホストファーザーも仕事でオークランドに行かなければならなくなり、私の家の近くでバスを降りてもらうように手配しました。そのことはG君に日本語でお伝えしてあったのですが、家に戻ると程なくしてホストマザーから連絡があり、早く終わったのでいつも通りにバスを降りてもらって問題ないとのこと。急遽、学校と個人レッスンの先生に知らせ、バスの運転手にも知らせました。なのに、「Gが家に戻ってない」とホストマザーから電話!急いで近くのバス停まで行くと、G君がニコニコして手を振り、「牛のビデオ撮っちゃった!」と見せてくれました。「モーモー言いながらついて来るんだよ。うるさいやつらだ」と(笑) 学校からの連絡によると、バスの運転手はいつものバス停で降りるように言ったのにG君は「No」と言って降りようとしなかったので、仕方なく最初に降りる予定だったバス停に降ろしたとのこと。まぁ、距離にして車で5分もかからないところだからいいですけどね。みんなで大笑いでした。
そして、G君、今度は「ラム肉を日本に持ち帰りたい」とのこと。う~ん、、、これまでそういう子はいなかったからちょっと調べてみるねと調べてみてもよくわからず、肉屋に聞くことにしました。先週、ラロトンガに持って行った人がいるから大丈夫だと言われ、さらに調べたところ検査証のようなものがあれば問題なく持ち込めることがわかって肉屋にそのことを伝え、注文しました。結果、このお肉は無事日本に持ち込むことができましたよ。(あ、あと、G君はマギーのビーフストロガノフの素をお母さんに頼まれて買っていました。私は使ったことがないのですが、調べたら一袋$1しないこともあるようで。お母さんが若い頃にこちらに来て、お金がなかったのでよくこれを食べた、懐かしい味らしいです。)
学校の中に他に日本人留学生がいたY君と違って、日本語を話すのは私か日本のお母さんと話す時だけだったG君は「かなり大変だったけど充実していた。これまで行った国の中で一番好き!」とおっしゃってくださいました。私はNZのセカンダリースクール教師で4年間留学生担当もしていましたので、授業をしながら留学生のお世話をするのは大変なことだというのはよくわかりますが、連絡の取り合い方や協力してくれる度合いなど、小学校と比べると細やかではありません。(もちろん、個人レッスンの先生を雇うため小学校に参加される場合の授業料はセカンダリースクールでの授業料の倍になってしまいますが、学校に支払われる授業料自体はセカンダリースクールと同じレートです。そのため、小学校にはエージェント料の分を寄付したり、私の授業料1時間分を寄付したりしています。よくしてもらった分の感謝料という感じですね。)最初は静かだったG君も、空港までの車の中ではノンストップでお話されていました。小学校に来る留学生はほぼ英語漬けになるので、最後の日は機関銃のように止め処なく日本語で話をする子は多いですね。なお、セカンダリースクールでの授業の内容については私も口出しができず、完全に任せることになっています。
授業に関しても、留学生の年齢が高くなればなるほど、同年齢のニュージーランド人学生との英語力の差が開いてしまいますので、留学生だけを別のクラスにしてほとんどこちらの学生と交流がないのは仕方がないことかと思います。また、時期的に日本人留学生がたくさんいたりしますので。小学校の場合は当社のプログラムに小学校が協力してくれるという形ですので、私や個人レッスンの先生が間に入ってクラスメートとの時間を作ったり、参加者が複数いても同じクラスにならないように配慮することができます。毎朝、車で迎えに行くことでホストファミリーともコミュニケーションを取りますし、可能なら小学校への留学をお勧めします。(それと、年齢が高くなるとバカなことに参加しなくなってしまいますし。)今回の留学は、私の娘たちの母校であり、今長女がこの学校で教師をしる関係で先生方と元々親しかったというのもプラスになったとは思います。
Y君の話に戻りますが、私の友人からの預かり物を持ち込む際に税関でスーツケースを開けて調べられてしまったようです。友人が丁寧に英語で商品名などを書いてくれていたのですが、これが通じませんでした。友人の英語が間違っていたのではないのですが、MAFが問題にするのは、「調理済み」「真空パック」された「市販品」であるということ。これらの表現を入れておく必要があったんですね。これからいらっしゃる当社の留学生の方で食べ物を持ち込まれる場合には、問題のない英語名をお知らせしますので事前にご連絡ください。
Y君もG君もまた来たいとおっしゃってくださいましたし、両者のご両親からも大変感謝していただき、今回、受け入れてよかったと思いました。G君の妹さんも来たいそうで、おばちゃん、忙しくなりそうです。
来年の3月末に家族で里帰りをする予定です。需要があれば説明会なども設定できますのでお知らせください。
*地元の小学校(米国ではエレメンタリースクール、英国圏ではプライマリースクール)では長期の受け入れができませんのでご了承ください。