コンテンツへスキップ

それはないんじゃない?

腹腔鏡手術後の経過も順調なので、先週から翻訳の仕事を再開し、今週は次々と仕事が入って来ました。

その中で、追加箇所のみの翻訳の仕事が入りました。赤字部分のみ翻訳してほしいというものです。

それ自体は問題がなかったのですが、見た瞬間固まりました。。。

その案件に見覚えがあり、確かにそれを最初に翻訳したのは私であることは間違いないのですが、どう考えても自分の英文とは思えず、また、自分がそのような英文を納品していたとしたら恥だとも思われました。

とりあえず、赤字部分のみを修正して校正者に送ったところ、"I know I’m only supposed to look at the red, but some of the other phrases or words are incorrect"とのこと。ありえない表現や単数・複数も間違えているし、名詞で納品したものが勝手に動詞にされていて意味が変わっていたりやはり納 得できず、過去のファイルを調べてみたところ運よくまだ残っていました。そう、納品後にだれかに編集されてしまっていたのです。

年前の案件でしたので、校正も今の校正者ではなく別の友人にしてもらっていました。もしかしたらと思い、今の校正者にそのファイルを送ってみたところ、 「少し不自然な英語はあるけど、全然悪くないわよ」とのこと。それもそうです。当時は、その別の校正者がチェックをしてから、プリントアウトして夫がさら にチェックしてから納品していましたので、不自然と思われる英文はあっても英語として問題なく通じるものであり、少なくとも文法的な間違いはないはずでし た。(「不自然」というのは、例えば、日本語原稿ですでに表になっていて、「申込期間」に「休館日以外」となっているため、"Open every day except for the days listed above”のようにできないため、"Booking Times"として"Every day..."を別にしなければならなかったりして、それでも形式を変更してしまうことはできないので仕方なくそのまま英語にしたために生じています。で も、校正者も私も納品時までにその他のいい表現が見つからない場合にそうなってしまうのです。)

前にも同じようなことがありました。エクセルだと校正機能がないので後で校正されてもどこを校正したのかが分からないんですね。それで、私が納品した後に 翻訳会社の社内校正者が校正し、それを見た上司から「間違いが多過ぎます」と叱られたことがありました。真っ青になった私はすぐに校正者にその原稿を送っ たところ、「これは私たちが納品した英文ではないよ」と言われて気付いたのです。それで、もう一度同じファイルをその上司に送り、謝罪していただきまし た。

は翻訳をする時にもかなり時間を掛けて一つ一つ調査をします。納期がきつくて日本語と英語をつき合せてチェックができないことも多く、時々訳抜けが出てし まうこともありますが、それでも英文だけは英語として問題のないものに仕上げています。それを、質の高いものに変更してくれるのならありがたいのですが、 そうでないものに変更されてしまうのはショックです。

校正者は"That makes me mad too if someone edited our work after we submitted it. Seriously, I don't think they'd find a better editing team than you and me! I am very strict about grammar, so I would not make so many errors"とかなりの自信を持っているようです。どこか変更したい場合にはお知らせいただきたく思いますし、実際にそのようにしてくださっている翻訳 会社がほとんどです。なぜそうなったのか、納得していただけるまできちんと経過を説明しますので。確かに、納品してからどうされようと私たちに著作権を主 張したりする権利がないことは分かっていますが、自分たちの知らないところで再校正され、その文章が私たちの仕事だと思われたくないという気持ちがありま す。

妙なプライドかも知れませんが、その点だけはご理解をお願いします。