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サポートって何だろう?

「サポート料を払ったのに何もしてもらえなかった」とお客様に言われました。

お客様からお問い合わせがあったのは1月13日。「1月下旬から3月上旬」と言うことで、私は来年のことだと勘違いしたのですが、実は次の月の話でした。ですので、その時に自分の予定をお話し、その中で先週1週間は通訳で家を留守にすることもお話しました。実際にお申込をいただいてからしか手続きは始めないのですが、お申込があったのは27日で、2月11日に到着すると言われ、2週間で宿泊先とレンタカーの手配をしなければならなくなりました。

ニュージーランドは今、夏です。そして、マンガファイはニュージーランド人にとってもビーチリゾート的存在で、イースター(4月の初め)ぐらいまで週末は観光客でいっぱいになります。案の定、どこの宿泊施設に電話をしても「週末は予約でいっぱい」との返事です。しかも、2人以内なら宿泊施設も選択の幅があるのですが、ファミリールームとなると各施設に1つしかない、もしくはないところもある状態です。数軒と交渉し、そのお客様がいらっしゃる週の金曜日に予約が入っていたモーテルのオーナーにその人を別の宿泊施設に移してもらって何とか1週間分の宿泊場所を確保しました。レンタカー会社も同様で、車だけではなくカーシートが2つ必要とのことで容易ではありませんでした。

お客様が到着された11日の夜と12日の午前中、通訳の仕事に出る直前までオリエンテーションをし、「IELTSの勉強がしたい」とおっしゃるので、テキストを数冊お持ちし、IELTSの試験の仕組みなどについて説明させていただいて、まず、どのような試験なのかを理解していただくために全部の資料に目を通し、課題をいくつかやってみてくださいとお願いしました。

通訳の仕事をしている間も、モーテルのオーナーと受付の女性から、お客様のお洗濯の量についてクレームがありました。お客様と直接お話をしたけれど、通じていないようだったから私から説明してほしいとのことで、何度かオーナーと連絡をしたり、お客様にも連絡をしました。雨続きで洗濯物が乾かないし、干す場所が足りないということでしたので、スーパーなどでロープが買えること、私は1週間家にいないので取りに行ってもらえるのならうちの簡易物干し3つをお貸ししてもいいことをお話しました。モーテルのオーナーがキャンプ場のオーナーと話をしてくれ、キャンプ場の乾燥機を使わせてもらえることになったのですが、それも嫌な様子。洗濯設備のあるところに宿泊したいとのことでした。(1週間滞在するということで料金を半額にしてもらっていました。)

でも、そのモーテルにも洗濯設備がないわけではなく、ホームページにも「有」と書いてありますし、実際そのサービスが存在するので「無」とは言えないんですね。ホームページを見ただけではなかなか判断ができない部分です。それで、洗濯機が部屋もしくは家の中にある家具付きのファミリールームを探すことが必要になりました。

金曜日の午後にこちらに戻り、お客様をお連れして一軒家を貸している知人のところに行ったのですが、「週末はずっと予約が入っている」とのこと。その晩、週末に予約が入っていない宿泊施設を全部、一つずつチェックし、週末が空いているところに連絡。でも、そういうところは家賃がモーテルの2倍強になりますが、一応、候補を調べてお客様にご判断していただこうと思いました。それで、数箇所見つけたので連絡してみたら、「あらぁ、ごめんね、ホームページの内容を更新していなかったわ」と言われ、ボツ。土曜日に知人が紹介してくれた不動産屋に行ってみることにしました。

「賃貸物件はあるけど、最低1ヶ月」と言われ、交渉してもらってから見に行ったところ電気がつきません。電力会社に連絡をしなければならないとなったのですが、週末なので月曜日まで無理とのこと。それでもう一軒を見に行きました。不動産屋にも「今はここしかない」と言われ、2週間の契約をしましたが、洗濯機はあるものの乾燥機がなかったので不動産屋に聞くと「新しいのを買うか、どこかで借りて持ち込むのはOK」とのこと。それでも、万一のことを考えて、電気屋で後ろに送風するタイプではないものがほしいと説明してから購入しました。

オーナーが直接来るというので延々と待っていたのですが、来ないので私はメモを残し、家に戻りました。これで一件落着と思ったのも束の間、家のオーナーから「乾燥機を入れたようだけど、あれは困る」と電話。「家が古いから壁が腐る。電気料金もかかるから$200ぐらいプラスしてもらわないと」とのことでした。夏なのに壁が腐るわけないだろうと思いましたが、不動産屋に連絡をし、「乾燥機を使うのなら週$50プラス」となりました。これでOKかと思ったら、次はお客様が「2週間で契約したけど1週間で出られないか」とのこと。オーナーに連絡をしたら、「賃貸契約は家賃は1週間分前払い。2週間契約したのに1週間で出るのはフェアではない」とのこと。そう言えば、賃貸契約はそうなっていたなと思い、お客様にも連絡し、2週間分払いました。(あとで「自分たちで宿泊施設を探す予定だったのに」と言われました。余計な手出しをしてしまったようでした。)

それがお客様にはご不満だったようです。「なぜ私たちが了承するまで待っていただけなかったのですか?」と言われました。私は「契約=了承」と考えていたのですが、お客様は違っていたようです。

サポート料はお一人分しかいただいていませんでしたが、「最初の週は何もしてもらえなかった」とのこと。私が思うに、サポートとは、お客様がスムーズに滞在していただけるようにするものです。お客様に代わって全てのことをするのではなく、必要な情報を提供して最終的にはご自分で決定して実行していただく、その過程で問題があればそれを解決するお手伝いをする、というものです。また、マンガファイまでいらっしゃる方々は英語の習得が目的であることが多く、特に日本人だけのご家族ですとなかなか現地の人と接する機会がありませんから、それを増やすことも考えなければなりません。お客様からしたら、目の前で私が何かをしているわけではないので、「何もしてくれなかった」となったのでしょう。

ですから、サポートの内容も一人一人違うわけですが、一般的なサポート(このホームページの「料金」のところに内容が書いてあります)のみが「サポート」の対象です。この中のどれを利用しないから割り引いてほしいというご要望にお応えすることはしていません。例えば、「ヨガのレッスンを受けたい」というご要望があれば、レッスンをしている場所を探し、予約を入れるところまでは「サポート」ですが、実際にそこまで行く交通費やレッスン代は別になります。

サポートはいわば保険のようなものです。一定の金額をお支払いただいて、緊急の問題が発生した時にそれを解決するための保証金のようなもの。ですから、使わなければそのままですが、1回ごとに支払うとなると具合が悪くてもだまっていて重症になる例もありますので、そうならないようにと一定料金を設定しました。

今回、一番困ったのは通信手段でした。最近は携帯電話を持ってこられるお客様も増えましたが、通常はホームステイであれば家に固定電話があり、携帯電話しかないおうちでもファミリーが携帯電話を問題なく使っているのであれば、受信に問題はないので留学生に携帯電話を借りてもらうこともあります。モーテルでしたら電話は必ずあります。だから、こちらからお客様にご連絡をする必要があって、お客様がそこにいない場合でも、ファミリーやオーナーにメッセージを残したり、重要な内容であれば日本語で書いた文書をスキャンしてメールに添付して送るという方法もあります。何らかの方法でこちらから連絡ができるのです。

でも、今回はそれができませんでした。その家に固定電話がないし、電話線を引く手続きをするのはお金のムダです。携帯の受信状況もテレコム、Vodafoneともにあまりよくありません。メールが送れるようにとUSBモデムをお貸ししましたが、メールもすぐにお返事がもらえるわけではないので、その代わりに私が1日に何度も足を運ぶ結果となったのです。通常、最初の数週間、慣れるまで週に数回足を運びますので、そのガソリン代や手間はサポートに含めてあります。でも、1日3回となると事情が違います。お客様がいらっしゃらなくて空戻りしたり、家に戻ってからオーナーから連絡があってもう一度行かなければならなくなったり。その分を通信費として請求させていただこうとしたら、「それは私たちの責任ではない」と言われました。何度もそのことで電話がありましたので、面倒だし、取り消させていただきましたが、携帯電話を買っていただくよりはずっと安い金額でした。(でも、「そんなに遠くじゃなかったし」とも言われました。宿泊施設が遠いところになるのか近いところになるのかはお申込をいただいた時点で判断できるものではありませんので、結果的にそうなったから返金してほしいというのも困ります。。。)

IELTSのレッスンも、私としては、情報を提供し、テキストをお渡しして、まずは文章を書いてもらってからと思っていました。お客様は私に勉強のプランを立ててほしかったようでした。でも、初めて会った人の英語のレベルも知らずにプランなど立てられるはずもなく、しかも「1週間いるかも」「2週間にするかも」という状況で何ができるのか。例えば、数学が苦手だという生徒に会っただけでその生徒のためにプランを作ることなど日本の先生ならできるのでしょうか。しかも、数週間で何とかするというのはどうなんでしょう。一般的には、まず1ヶ月ぐらい文章を書いてもらって、それで伸びそうだったらそれをもう少し続け、ダメだったら別の方法という感じでやっていますし、それが私のやり方です。「高得点なんて無理ですよね?無理かどうかはっきり言ってくださいよ」と言われましたが、これは病気の予後宣告などとは違って、本人の姿勢によって大きく結果が変わるもの。自分にどのような勉強方法が向くのか分からないのでしたら、とりあえず一つのことをしばらく(最低1ヶ月)やってみてダメなようだったら別の方法に変えるしかありません。その方法が本人に合うのかどうかの判断は、その判断材料となるものがない状態ではだれにも判断できるものではないと思います。

とても残念なケースとなりましたが、これからは翻訳・通訳に専念することにしました。期間が決まった留学生のサポートはこれからも続けて行きますので、いつでもご相談ください。でも、お申込が60日を切ると私のほうにも高速手数料が発生しますし、宿泊施設(ホームステイ)が見つからない場合は学校に依頼することになり、学校の手数料として$250が追加されます。また、翻訳や通訳もご指名を受けることが増えておりますが、時間に余裕を持ってご予約をいただければその期間を空けてお待ちすることができますので、くれぐれも時間に余裕を持たせてお申込をお願いします。