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ニュージーランドにもオンライン翻訳が出現!

翻訳関係の雑誌で『オンライン翻訳』について知ったばかりなのですが、それと似たようなものがニュージーランドにもできるようです。

『オンライン翻訳』とは、翻訳会社を通さずに依頼主と登録翻訳者が直接取引をするシステムらしいですね。日本には数社あるようです。

確かに、私のように翻訳者が校正まで含めて仕上げる場合、翻訳会社を通さなくてもできてしまいます。また、翻訳会社の取り分がなければ儲けを出しながら単価を下げることが可能になりますし、それだけ校正者にも払えることになるので質の高い人材を雇うこともできるようになるでしょう。直接クライアントが取れれば最高だとは思います。

それをニュージーランドで、というのがこちらです:http://www.stuff.co.nz/business/industries/5367079/Startup-targets-33b-translation-market。$33bも掛けてのチャレンジのようですが、どうなんでしょうね。

ニュージーランドには一応、NZSTI(New Zealand Society of Translators and Interpreters)という組織があります。でも、イマイチ、中途半端な組織なんです。

ニュージーランドは俗に"nanny state"と呼ばれ、「面倒見のいい国」なのですが逆に言うと「余計なお世話までする国」なのです。消費者が業者に騙されるのを国が何とかしようとなり、いろいろなビジネスを登録制に、つまり独占的なものにしてしまっています。最近、イミグレーションコンサルタントもそうなりましたけど。。。

NZSTIの正式な会員になるためには、大学の翻訳科を卒業するか、オーストラリアのNAATIの試験(日本の翻訳者協会にあるようなNZSTI独自の試験というのはありません)に合格する必要があります。私のような英語学科卒ではダメで、私がここの正会員になるためには、オークランド大学で1年間勉強してPost Graduate Diplomaを取得するか、NAATIを受けるかということになるワケです。大学に1年間通うのにかかる費用よりNAATIは安いでしょうけど、1回の受験料がとても高く、しかも言語の方向毎(日英、英日)やレベル毎に受けたらとんでもないのです。経験などを認めてくれるというシステムはないので、資格がすべて。資格さえあればトライアルなど受けなくてもいいし、ラクですけど、子供がいる人がお金を掛けて資格を取るというのも難しい話です。。。

でも、ここの正会員でないと政府関連機関に提出する書類の翻訳ができないことになっているんです。NZQA(資格審査局)とかImmigrationに提出する書類などは、実務翻訳の仕事と比べるとめちゃくちゃ簡単ですけど、私にはできないことになっているんです。

あと、翻訳者&通訳者を探せるウェブサイトなのになぜか英語のみなんですよね。英語が苦手な日本人があのサイトを利用して翻訳者を探して来るとも思えません。まぁ、私はObserverとかいう、イマイチよく分からない会員でしたし、3年間で一度もニュージーランドで翻訳の仕事を請けたことはなかったので今年は脱会しました。と言いますか、ニュージーランドにもう17年も住んでいて、周囲も私が翻訳をすることを知っていますが、国内での翻訳の仕事は平均して年に1回、単発で1時間もすれば終わるようなものしか来ていません。

だから、「認定翻訳者」が訳したものしか受け付けないところでオンライン翻訳のシステムを作っても役に立つのかどうかですよね。日本人だったら『NZ大好き』などを利用するでしょうし、日本のサイトを利用することもできますから。

うまく行くんでしょうか。。。しばらく注目してみようと思ってます。