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Tさん一家の親子滞在

クライストチャーチの大地震の後、東日本大地震があり、しばらく留学生がいなかったし、翻訳&通訳で忙しいので「もう留学生サポートは止めようかな」と思った頃にTさんから「親子でノースランドを見に行きたい」とのご連絡がありました。悩んだのですが、去年お世話させていただいたFさんご夫婦にも「勝枝さんがいなかったらこんな田舎まで見るチャンスはなかった」とおっしゃっていただき、細々でも続けて行こうと決心した時でした。

Tさんには息子さんが二人。9歳と14歳でしたので、9歳のJ君は小学校に、14歳のS君はセカンダリースクールで受け入れてもらいました。Tさんのお話では二人ともシャイだとのことでしたが、まぁ、男の子ですし、こんなものだろうというのが第一印象でした。

ワークワースで待ち合わせをし、ランチの後にシープワールド。ふと、日曜日でも開いているカフェなんてあるんだろうかと不安になり、急いで友人Yにテキストし、教えてもらったところに行きました。お天気が心配でしたが、晴れて予定通りシープワールドにも行くことができました。ショーまでに時間があったので動物にあげるエサを買い、外に出て動物たちと触れ合うJ君とS君を見てちょっと安心。たくさんおしゃべりするタイプではないけど、こちらから声を掛けるときちんと答えてくれ、少しずつ打ち解けていけそうでした。

それから、前もって打ち合わせしてあった通り、小学校の校長に連絡をし、小学校で待ち合わせ。眠ってしまったJ君を起こし、校長に会いました。寝起きだったのに機嫌は悪くないJ君。お母さんのTさんに、「僕、ああいう人、好きだな」とおっしゃっていたそうです。

校長は若くて、とてもにぎやかな人。そこにいるだけで場を明るくできる人っているじゃないですか、そういうタイプです。たった2日しかいないJ君のために、「他の子から浮かないように」と制服も用意してくれました。(こちらはTさんが結局、「記念になるから」と買って持ち帰られました。)校内を案内してもらい、大きくHigi five(相手の手と自分の手をバッチンと合わせる)をしてバイバイ。

予約をしてあったモーテルにチェックインをしてから、オリエンテーション。町中を車でご案内し、うちにもご案内しました。私とTさんがお話している間にJ君は目ざとくトランポリンを発見!さ~っと消えたかと思ったら一人でポンポン、楽しんでいました。犬の訓練用のコーンの間を走り回ったり、とーっても元気なお子さんです。

翌日、学校の初日。急遽、親子面談のため、小学校は半日になってしまいました。2日しかいないのに残念。。。最初にS君を学校にお連れしました。周りに羊しかいないような学校で、留学生担当で友人のサリーにS君をお願いし、小学校へ移動しました。それまで校長と会った時はいつもTシャツとショーツだったので、白シャツとネクタイをしている姿に驚きました。(まぁ、当然の格好でしょうけど。。。)制服を合わせたりしている間に担任の先生が職員室にいるのが見えたので、J君とTさんにご紹介しました。見た目が怖そうな先生なのですが、とーっても優しいんです。

それからモーテルに戻り、翌日Tさんが算数教室をするために英語のレッスン。その後、J君をピックアップしてベーカリーでパンを買って食べ、ワイナリーにご案内しました。どうせならとS君を受け入れてくれた学校のBoard代表者のところにと思い、数あるワイナリーからそこをピックアップ。そこの息子さんとは、昔、夫がテニスのダブルスでパートナーを組み、私は球拾いをしたことがありましたっけ。めちゃくちゃ話が弾んでしまいました。S君はスクールバスで帰り、翌日もスクールバスで学校に行っていただきました。

その日の夕方はお天気もまずまずだったので、ずっとご希望されていたカヤックをすることになりました。夫に頼んでうちのカヤック2台を運んでもらい、J君には次女の、S君には長女のウェットスーツを着せ、ライフジャケットをその上に着ていただきました。J君のはそうでもなかったけど、S君のウェットスーツはぶっかぶか。まぁ、ないよりはマシかという程度でした。最初は海でS君が、次にJ君がひっくり返り、Tさんは「Jは泳げないし、水が嫌いだから、『もうやらない』って言うかも」とおっしゃっていたのですが、ひっくり返るのは水際なので当然足がつくところ。場所をもう少し穏やかなところに変えたら、J君もまた漕ぎ出しました。「あっちの山まで行く」というS君。なんとJ君までくっついて行ってしまいました。山の手前は潮の流れが速いのでちょっと心配でしたが、さすがお兄ちゃん、弟の面倒を見ながらきちんと往復できました。お母さんのTさんはものすごく心配そうで、夫もいざという時のためにフリッパーを持って見守っていましたが、満面の笑みで戻ってきた彼らを見たら、お連れしてよかったと思いました。この後、S君もJ君ももっとお話をしてくれるようになりました。

翌日のTさんの算数教室は、私に教員登録証があるので責任を持つということで学校から許可をもらい、Board Roomに子供たちを6人集めて行われました。日本語ができる子供はだれもいないので全て英語での授業となり、Tさんはずっと前から心配されていました。私は何とかなると思っていたんですけど、その時に言う文章まで考えられていて準備万端。子供たちが?という顔をしていた時だけサポートをし、なかなかの成功でした。参加した子供たちからの評判はとてもよかったようでした。子供たちは、前日の算数のテストでトップクラスに入れられ、そこで満点だったJ君のように算数ができるようになるかと期待していたようですよ。

その後、午後にJ君の小学校のビデオを観ました。Tさんがお持ちになったパソコンを大きな画面につなげるかどうかなど、いろいろな手間をニコニコ顔でこなしてくれた担任の先生に感謝です。ビデオはJ君が日本の小学校に通われるところから撮ってあり、説明がJ君の英語でした。私たちは後ろで見ていましたが、子供たちも自分のクラスにいる子のビデオだと真剣に観るんですね。Tさんは「少し長過ぎたところもあったな。もっと編集に時間をかければよかった」というようなことをおっしゃっていましたが、これも大成功だったと思いますよ。その後の質問の中にはJ君の英語力では分からない箇所もあったようですけど、一人でやっていただきました。(私がここでヘルプしてしまうと自信がなくなっちゃうこともありますから。)

とってもかわいかったS君とJ君。こちらまで足を延ばされたことで、これまでとは違った経験をしていただけたでしょうか。日本での週2回の英語のレッスンでここまで英語力がつくものなんですね。うれしい驚きでした。今度はもっと長期でいらしていただきたいですけど、それまでにもっと英語を勉強して、もっとお友達を増やそうね。お友達の中に、おじさんとおばさんですけど、私たち夫婦も入れておいてください。その時にまたカヤックをしましょう。同年齢のTさん(ほんの数週間、あなたのほうが若いんですよね!)、今度は一緒にワインを飲みながらBBQをしましょうね。

Ka kite ano!