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英語の勉強方法って?

ここ数年の間に一気に翻訳で忙しくなってしまい、英語の添削指導は問い合わせがあっても断っていました。でも、時々問い合わせがあり、だれかを雇って再開してもいいかと思うようになりました。

それで、NZ教員登録証を持っていらっしゃるという方にお願いしようかと考え、メールで問い合わせたところ、「IELTSは受けたことがない」と言われ、驚きました。IELTSを受けなくても入れて、さらに教員までいける大学があるんですね。

ま、それはともかく、私に問い合わせて来る人たちの目的はほとんどがIELTS。だから、IELTSの受験経験がある人がいいかなと思ったワケです。「どのような仕事なのか」との返事でしたので、過去の例を一つ送りました。そしたら、ナント、それをさらに細かく添削したメールが届きました。。。

「ここの名詞は関係代名詞で修飾されているから前にtheが必要ではないか」とか「この表現は一般的ではない、こちらを使うべきではないか」とか、しまいには「添削者は途中で添削が面倒になったようだ」と。「添削したのは私」と伝えてあったので、余計に驚きました。

日本では冠詞とか前置詞とか細かいところを重視しますが、英語圏では「自分の言いたいことを英語で伝えられればOK」なのです。冠詞や前置詞が間違っていてもコミュニケーションができれば問題がない場合には高得点になりますが、文法的に正しくても内容のない文章であれば得点が低くなります。IELTSの場合は1時間で150語と250語の課題の違うエッセーを書かなければなりませんから、「ここに"the"を入れるんだっけかな?」なんて考えていたら時間がなくなります。

それと、添削指導は大人が対象なので、ほとんどの方がお仕事をされています。お仕事をされていない方でも英語の勉強だけでなく、スポーツをしたりお友達とお茶をしたり、他の生活があるわけです。その中で英語の勉強を続けて行ってもらうのにはこちらでも工夫が必要で、ごちゃごちゃと細かいところまで直してコメントを書いても全部読んでもらえません。それどころか、こちらからの返事を一回見ただけで嫌になると思われます。(私だって、校正者から戻って来た訳文が真っ赤だと嫌になりますから。)だから、的を絞って、「今回はここを覚えてほしい」というところだけにコメントを書くほうが読んでもらえる可能性が高いのです。(それでも何度か同じコメントを書く結果になることもあります。)

英語の勉強を始めると、あっちもこっちも覚えなければならないことばかりでどこから始めたらいいのか分からないと思いますが、一度に勉強することは一つにしたほうが効果が高いと思われます。つまり、リーディングをするのであれば、きちんと意味が理解できるかに焦点を置きます。ライティングであれば、自分の意見を理論的に説明できているかでしょう。スペリングの間違いや文法の間違いはその後。とにかく、短時間で量を読んだり書いたりできるようにするのが目的。欲張るとごちゃごちゃになって何も覚えられなくなります。

1日1歩、3日で3歩、3歩進んで2歩下がる。。。5歩下がっちゃったら翌日6歩にするのではなく、焦らずに翌日も1歩です。