コンテンツへスキップ

アサリが”Manila Clam”ではダメな時

私は時々メニューの翻訳もします。

その際、まずは既にその原文を英訳したものがないかを調べます。

これはズルをするためではなく、既に英語になっている単語はそのまま使用するのがオキテだからです。

そして、案の定、既に英語になっているページを見つけましたので、それを利用し、間違っているところだけを修正して提出することにしました。

その中に「アサリの味噌汁」がありました。

ここでは原文をそのまま引用できないのでちょっと変えますが、例えば「いわき産アサリ」だったらみなさんはどう訳しますか?

そのサイトでは"Iwaki Manila Clam"と訳されていました。

確かに辞書で調べるとアサリには"Manila clam"という英訳があります。

ここでの"Manila"はアサリの学名が"Ruditapes philippinarum"であることを考えるとフィリピンの首都マニラです。

だから「いわき産マニラ貝」は「ニューヨーク産飛騨牛」ぐらいに違和感があります。

ちなみに、short-neckとかlittle-neckとするのは生物としての貝をイメージしてしまうのでレストランのメニューには適さないと思います。

特に女性には。

(貝の首が長かろうが短かろうが味噌汁にするのならどうでもいいことですし、レストランのメニューなら「おいしそう」な名前でなければなりませんね。)

なので、「いわき産アサリ」は"Iwaki Asari Clam"としました。

日本人がカタカナ語を好むように、英語圏の人たちも日本のものなら日本の名前を好むんですよね。

追記:上記の内容は日本語から英語にする場合に気をつけなければならない点で、英語から日本語にする場合には"Manila Clam"も"Short-neck/Little-neck Clam"もすべて「アサリ」で問題はありません。