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訪問介護士になりました

時間が過ぎるのは本当に早いもので、訪問介護士になったことを書こうと思っているうちに半年以上過ぎてしまいました。😅

最近、SNSでも日本で看護師をしていた(している)方々が介護の仕事を探しているという投稿を見ることが多くなり、自分の経験が何らかの助けになればいいなと思い、書くことにしました。

日本の看護師がこちらで介護士になろうとする一番の理由は、こちらで看護師をするのには英語力もないし、介護の方が簡単だろうということです。

でも、医療通訳をして来た経験から言えますが、日常会話レベルの日本人には介護は厳しいと思います。(私は経験ゼロで、登録した派遣会社がトレーニングしてくれるという話でしたが、それを待っていたらいつになるかわからないということで、母親とそれまでのオランダ人介護士が色々教えてくれました。)

患者(当事者?)によっては脳梗塞などで言語障害があったり、知的障害があって発音が明瞭でないこともあります。私の場合は耳が聞こえる以外何もできない成年女性なので本人と会話をすることはありませんが、一人で介護をしているので、患者の家族、訪問看護師や医師、ホイストや車椅子の修理の人たち、栄養士との対応は私がしなければなりません。これまで、医師がアジア系で訛りが強いと聞き取ろうとする意欲さえなくしてしまってました。(こういう時、教育レベルが低い人でも英語が母国語の人なら聞き取れるんです。何度も撃沈しました。😭)

まぁ、私の場合は生まれつきの難聴もありますが、介護士を目指す場合にはリスニングだけは上級レベルでないと難しいと思います。(私はIELTS7.5です。30代前半の頃のスコアですが。)

ニュージーランドの場合、予算の関係上、介護士は一人の患者につき一人です。だれかの下で働くわけではないので責任重大です。骨まで見えそうな床ずれを見た時は卒倒しそうになりましたが、看護師が貼ってくれるパッドはシャワーの度に剥がれるので見よう見まねでできるようになりました。結局、私の患者のような重度の障碍者はほとんどいないので、私は半年で看護師が別の患者に推薦してくれるレベルの介護士になりました。😊

そうそう、14歳未満のお子さんがいる方は、永住者でない限り、介護士であれ看護師であれ就労ビザを入手するのは容易なことではありません。就労ビザの条件はフルタイム雇用ですが、ニュージーランドでは一番上のお子さんが14歳になるまでは家に一人で置くことができないので、お金をかけてベビーシッターを雇わなければならず、二ヶ月の夏休みをどうするかが問題になるかと思います。

ちなみに、私が介護士になったのは、コロナで日本の翻訳会社からの仕事が減り、悩みに悩んだ結果でした。日本の翻訳会社さんには本当に優遇していただいていたのですが、金曜日の夜中に原稿を送って来るのに「できるだけ早く納品してほしい」というクライアントが多く、週末に朝早くから夜遅くまで仕事をしなければならないことに理不尽さを感じていました。それでも、アカデミックな仕事をしていたいという自分がいて、夫に地元のスーパーのおばちゃんの仕事を勧められた時は泣いてしまいました。

介護士になる少し前に三人の男の子がいる家でナニーをしたのですが、とにかく嫌で嫌で。。。だから、Facebookで今の患者の母親が投稿した記事を見た時、この機を逃したら後はないと思い、直接連絡しました。この母親は、もう何年も前、患者が小学生の頃、ニュージーランドの福祉の実態を知りたいと日本から来た大学教授に快く面談してくれた人で、彼女がその時に話してくれた内容は今でも鮮明に覚えています。恩返しのような気持ちでした。長年のテニスで体力はあります。医療系大手人材派遣会社に登録し、日本円で約2,000円からのスタートでした。(ちなみに、介護士で就労ビザを目指される場合には私レベルではダメですけど。)

ニュージーランドでの就労は永住権があっても大変です。私もこちらに来て30年になりますが、英語の訛りのせいで、つい最近こちらに来たかのような扱いを受けることも多々あります。もちろん、テニスクラブのように私を信頼して経理の仕事を任せてくれるところはありますし、親しくしてくれる友達もたくさんいます。でも、就職となると、アジア人差別は根強いですね。

ということで、私からアドバイスするとしたら、最低限、日本にいる間にIELTSで平均7.0、かつ全モジュール7以上を取得するということですね。こちらに来てから勉強するという甘い考えは捨ててください。ニュージーランドが必要としているのは即戦力です。