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直接対話派の言い分

自分の意見を言いたい時、直接話をしたいというタイプと、それは苦手で落ち着いて文章にしたいタイプといるかと思います。どんなにメディアが発達しても、人間が自分の意思を伝える手段には「話す」か「書く」かしかありません。

時々、キウィ、日本人にかかわらず、「重要なことは電話などで直接話してほしい」と言われることがあります。実は私はこれがとても苦手なのです。

耳が遠いというのもありますが、それよりも、自分の考えをその場でまとめるのが苦手だし、間違った情報を与えてしまう危険性もあります。また、Noが言えないタイプのため、相手を傷つけないようにという考えが無意識のうちに出てしまって、実際はそうでなくても相手の意見に合わせてしまったりします。だから、私からしたら、電話で率直な意見を言うというのはありえないことになります。

また、相手の都合も考えずに、自分が電話したい時に勝手に電話して、相手に考えるチャンスも与えずに自分の言いたいことだけを言うというのがどうも嫌なのです。これは、自分が翻訳という仕事をしている関係もあるのですが、調べ物の途中でいきなり電話で率直な意見を求められても、頭の中はその調べ物のことで一杯で他のことなどゆっくり考える余裕はありません。

なぜ電話派は電話しろと強制してくるのでしょう。その陰には、電話なら相手を言い負かせるという自信が隠れているような気がします。私の夫がそうですけど、絶対に自分の意見を曲げない強いタイプに多いと思います。「こういう風に一方的にメッセージを送られても(自分は反論できない)」とか。

私も過去に、その場で自分の言いたいことを言っていた時期もありました。でも、そうすることで相手を傷つけてしまったり、実際に言いたかったこと以上のことを必要もないのに言ってしまったりしていました。でも、ある日、キウィの女性から、ことばを選びながらゆっくり文字にし、そのうち感情も落ち着いてだれにもさえぎられずに自分の考えがまとめたほうがいいとアドバイスされ、なるほどなーと思い、今に至っています。

ですので、電話派のみなさん、こういう人間の存在も認めてください。逆に、私のほうからも相手の言いたいことをさえぎることなく、きちんと理解できますので「フェアでない」ことはないんです。また、私も直接本人にメールしますし、文章に書かれたことだけがすべてでその陰にある思いなどありません。文章にしたから率直な意見ではないというわけではありませんし、人間一人一人違いますので、その違いも認めていただきたいと思います。