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親子留学~その2~

次女が卒業してからタンスの奥にしまってあった制服を着せてみたら大丈夫だったので、下のLちゃんにだけジャケットを買い、みんなと同じ制服で登校することとなったRちゃん(9歳)とLちゃん(6歳)。初日はとてもシャイでした。

Aさんのご主人もいらしていた最初の週に、その翌週からご主人を除いた親子3人のホストファミリーになる予定だったファミリーが長女を小学校から引き抜いてしまったことは前の記事にも書きました。理由は、クラスに女の子が4人ぐらいしかいなくて、ニュージーランドでは6歳の誕生日の前までに入学すればよいことになっているので、とりあえず一旦退学してもう少し女の子が増えるのを待って再入学させるためでした。

でも、Aさんは不安になりますし、学校が始まってからその影響が顕著になりました。校長も私も、ホストファミリーの長女がLちゃんと同じクラスだから朝も一緒に遊んでくれるものと思っていたので特にバディーと呼ばれるお友達をつけたりはしませんでしたが、ホストシスターが学校を辞めてしまったためにAさんのお子さんたちと遊んでくれる子はいません。そのため、数日はどうすることもできずに過ごしました。私の友人に頼んでみたりしたのですが、ギリギリまで登校して来なくてなかなかうまく行きませんでした。

そこに、救世主として現れたのがESOLの先生でした。先生のお子さんが別のクラスにいることを知らされ、登校したら私のところに来るようにと担任の先生から話してもらい、Aさんのお子さん二人と遊んでもらいました。その後、Aさんのお子さんたちも別々にお友達を作ってもらおうとなり、午後にそれぞれのクラスメートの家に遊びに行くように設定。Aさんには車がないので、だれがどう送迎するかもアレンジしました。その結果、Rちゃんも学校に到着するとまっすぐクラスに行くようになりました。

二人ともお友達ができたし、ホストファミリーもいい人だったら問題はないかというとそうでもなく、3歳と5歳の女の子がいる4人家族のホストファミリーに、Aさんとお子さん二人が入れば合計7人ですから、全員の相性が合うことはなかなかありません。少しずつお互いに慣れて来ると、子供ですから当然ケンカを始めます。しかも、学校を辞めてから風邪を引いてしまったりして、ホストファミリーのお子さんは一日中家にいるのです。大人ならある程度距離を置いてくれるでしょうけど、子供は容赦なしで、一日中Aさんに付きまとうことに。まさか、よくしてもらっているホストファミリーの子供たちですから、Aさんも出て行けと言うわけにはいきません。それで、私とAさんは私の授業の後にカフェでコーヒーを飲んで過ごしたり、ランチを一緒にしたりしました。週末は北に旅行することを提案させていただき、両家族とも水入らずで過ごしていただきました。

いつでもどこでも元気なRちゃんとLちゃん。この日はマクドナルドで食べてご機嫌でした。私もESOLの授業を通じてとても仲良くなり、この頃にはいろいろお話してくれるようになっていました。

翌週からESOLの授業はなしで一日中学校になりました。ところが、火曜日に学校から電話があり、Rちゃんの具合が悪くて保健室にいるから迎えに来てほしいとのことでした。ホストファミリーにもAさんにも電話をしてみたけれど通じなかったので、とりあえず私が行って、途中でAさんから電話があったのでおうちにお連れしました。数日経ってもよくならないまま、他の子の家に遊びに行かせたいということでしたので、他の子にうつるような病気でないことを証明したほうがいいだろうと思い、医者に診てもらいました。

あと数日だし、もう何も起こらないだろうと思っていた矢先の木曜日に、今度はホストファミリーの長女が家の中を走り回って頭をぶつけ、ファミリーが緊急病棟に連れて行ったとの連絡がありました。CTスキャンを撮って無事翌日戻って来たのですが、金曜日の朝は私がRちゃんとLちゃんを学校まで送迎し、何とかなりました。

Aさん親子はそれから一週間、モーテルを予約してありました。でも、ホストファミリーはもう一週ホームステイしてもいいとおっしゃってくださいます。これはとてもうれしいことなのですが、「もうちょっといてほしい」というところでお別れしたほうが後々のためにもいいので断ることにしました。Aさんのお子さんの夏休みの宿題もありましたし、ホストシスターも吐いてましたから。モーテルからでしたら歩いていろいろなところに行けますし、Aさんにもお一人でいろいろ試していただくいい機会だと思いました。

それから、日曜日に私の娘たちを寮に連れ戻すので一緒にAさん親子も予約していたオークランドのアパートにお連れしました。そこでまたアクシデントです。私の車のタイヤがパンクしてしまいました。AAに連絡し、1時間ほどかかったのですが、その間、いつもはケンカばかりしているRちゃんとLちゃんがとても静かに楽しそうにしてくれ、私もAさんも精神的にとても助かりました。しかも、その後、警察に捕まってしまったんです!「黄色の信号をスピードを上げて通過した」、「50km制限のところを30kmで走ってHazardとなった」とのこと。「雨の日にスピードを落として走ってはダメで、急ブレーキをかけてでも止まれというのはおかしい」と娘たちも反論してくれましたが、えらく態度の悪い婦人警官でみんな怒りがおさまりませんでした。(当然ですが、チケットは切られず、警告のみでした。)そんなことがあった帰り際にLちゃんが「がんばって」と窓に書いてくれたメッセージ。そのやさしさがとてもうれしかったです。

そこでお別れと思ったのですが、その週の金曜日にも娘たちを迎えに行くことになり、Aさん親子とランチをして空港近くのホテルまでお送りしました。

Rちゃん、Lちゃん、また会おうね。Aさんとご主人のMさん、素晴らしい体験をさせていただき、ありがとうございました。私も自信を取り戻すことができそうです。